17 Jun 2007アイアンマンジャパン Swim:3.8km/Bike:180km/Run:42.2km  

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17日(日)

1年で最も緊張する朝を迎える。起床は3:30。まず、シャワーを浴びて目を覚ます。結構、眠れたにも関わらすテンションは低い。あまり食欲がなく、 “とろろそば”を食べるのが精一杯だった。

4:45、バスでスイム会場に移動する。せっかくバッチリ目覚めていたのに、バスの中でまた寝てしまった。「緊張するなぁ」と言いながら、すぐに寝てしまう。自分が、よくわからん。
目を覚ますと、空は青白く明けはじめていた。雨の心配はなさそうだ。

会場に着き、バスから降りると、全く風がないことに気づく。例年は、木々がきしむ位の強風が吹いているのだが。しかも、海も、昨日の高波が嘘のように静まり返り、絶好のコンディション。タイムが悪かった時の言い訳のひとつが、崩れてしまった。しかし、静かな海を見て、緊張が一気にほぐれたのも確かだった。完走へ大きな一歩だ。天候は曇り。降水確率は20%だ。


全く波はなし。選手の間から安堵の声が上がる。


アイアンマンレースでは、腕と脚にゼッケン番号を、ふくらはぎにはカテゴリーを表すアルファベット(40-44歳はE)を、マジックで書かれる。


朝もやの中、たんたんと準備をする選手たち。緊張感が漂う。空気が重い。

 

 





Swim/3.8km

アイアンマンジャパンはフローティングスタートだ。沖合のスタート地点で、浮いたまま(立ち泳ぎした状態)で、その時を待たなければならない。これまでは5月に開催されていたので、寒くて、待っているだけで大変だった。しかし、今年は6月、水温が21℃あるので以前よりは随分快適だった。

7:00、まずエリートの部、つまりプロがスタートする。我々アマチュアは、その2分後だ。スタートを待っている時は、すでに緊張感は消え去っている。
気温は21.8℃、湿度は91%、南南西の風0.6m/s。(気象データはironmanのwebsiteから)


7:02、いよいよ私にとって3年ぶりのアイアンマンがスタートした。参加者723名が一斉に泳ぎはじめる。いつもながらの、殴る、蹴るの大バトル。スイムのスタート直後、この時だけは、持久系スポーツのトライアスロンも格闘技と化す。
ゴーグルを飛ばされてしまう人もいる。そんな人のために、今回は、レスキューの船には、ゴーグルが用意されている。この事実からも、水中で、殴り合いが頻繁に行われていることがわかるだろう。



トライアスロンのスイムにコースロープなどない。腕と腕が当たることもあれば、顔面をキックされることもある。



このバトルを、かいくぐりながら沖に向かって900m泳ぐ。その半分も進めば、大バトルは収束して、若干、泳ぎやすくなってくる。

スイムは孤独だ。自分の呼吸と水しぶきの音しか聞こえない。見えるものは、深いグリーンの海底、見るものは目印となるオレンジや黄色のブイだけである。今、自分がどの位置(順位)なのか、全くわからない。時計も見られないので、速いのか、遅いのかも判断できない。

アイアンマンジャパンのスイムは1周1.9kmを2周回する。一度、陸に上がり、再び同じコースへ戻って行く。この陸に上がる瞬間だけ、観客の声が聞こえる。タイムを確認することもできる。しかし、私は、まず後ろを振り返る。自分より遅い人がいるか、確認するためだ。
スイムが苦手な私は、泳いでいる間「もしかしたら、ビリなのではないか」という不安が常にある。
後ろを振り返ると、まだ多くの選手が、陸にむかって泳いで来ている。
「よかった。今年もビリではなかった」(レース前は、よくスイムでビリになる夢を見ます)

2周目の途中で、何度か水を飲み、気分が悪くなった。しかし、スイムはスタートしたら最後、泳ぎ切るしかない。ここはプールではない。足は着かない。

スイムゴールが近づき、海底が見え、足が着いた瞬間、思わず「よっしゃー」と心の中で叫んだ。スイムのゴールは、完走に匹敵するくらい嬉しい。まだレースは始まったばかり、本当のゴールは、まだ10時間以上も先なのだが。


親指を立てて「OK」サインをしているが、これは好タイムを意味するのではない。苦手のスイムを乗り切った喜びのサインである。スイムは1:20:16で、359位。喜んでいる場合ではない。


 

 

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