21 Jun 2009アイアンマンジャパン Swim:3.8km/Bike:180km/Run:42.2km  

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Run/42.195km

私のフルマラソンのベストタイムは2時間55分である。3時間を切れるランナーは高橋尚子や野口みずきなどを含めた全ランナーの3%ととも4%とも言われている。トライアスロンのランは3時間34分がベスト。ランだけなら十分ハワイを狙えるタイムである。このようなこともあって、私はランが速いと思っている人が多い。私も、トライアスロンのランで抜かれるなんて、想像したこともなかった。以前は。

しかし、ここ数年のランの不調は凄まじく、福知山マラソン(フルマラソン大会)では、走るだけなのに3時間40分を超えている。また、昨年の佐渡国際トライアスロンでも4時間1分だった。こんなこともあり、今回のアイアンマンジャパンでは、どのような走りができるのか想像できなかったし、不安もあった。

バイク180kmを走り切って、脚が軽いわけはない。しかし、1kmでタイムを計ると4:55/kmだった。思ったよりもスピードは出ている。調子は悪くはないようだ。
もしかすると3時間40分を切ることができるかも知れない。少なくとも10kmまでは、5:00/kmでは走れそうだ。バイクの分も「ランで取り返してやる」と自分に言い聞かせながら、集中して走った。7km付近、後で聞くと先行していたチームメイトのTさんが「坂井さん、抜かすな〜」と声をかけてくれたらしい。
余裕があれば、ボケのひとつでもお返しするのだが、その時、そんな余裕はなかった。



どんなに辛くなっても歩かない。歩けば、ゴールは遠ざかる。その方が辛い。


10kmを51分で通過。ここまでは、順調である。21kmを1時間48分で通過。なかなかのペースだ。残りのハーフを2時間で走っても3時間48分か、悪くないなぁ、と思えるくらい、ここまでは順調だった。
しかし、25kmを超えると一転。脚はピタリととまった。エイドステーションで飲食する時間が長くなる。30km、エアサロンパスで回復を試みるが、それも効果なし。3時間台で走り切れるのかもわからなくなって来た。

30kmを超えると、月300km以上コンスタントに走っている人と、近年の私のようにレース前だけ200〜250km走る人との差が出始める。3時間30分台で走った時は、月に300km以上のトレーニングが3ヶ月続いた。この年、サブスリーも達成した。
やはり、月300kmは必要だ、と反省するしかなかった。

 



空は灰色の雲、時々雨が降って来る。湿度は90%と異状に高いが、贅沢は言っていられない。金・土曜日のような快晴だったら、どうなっていたことやら。この気候、ついている。そう思いながら、ゴールを目指した。

陽光はないが、暑さを感じる。湿度のせいか、熱が内側にこもって来る。エイドステーションでは、必ず水をかぶり、水分も補給した。スイムとバイクが速い外国人選手も、ランで苦労していた。日本人の私でも、この日の湿度は、不快そのもの。南半球から来た選手や北欧の選手は、慣れない気候に苦労したに違いない。

35km地点を過ぎると、完走を確信することができる。ゴールの次に嬉しい瞬間である。残り7kmなら全て歩いても時間内に完走できるからだ。
ラスト2kmの表示横を「今回は我慢の連続だったなぁ」とレースを振り返りながら走る。

ゴール地点である五島高校のグランドへ入ると、薄暗い空間に、ゴールゲートがスポットライトを浴び、まるで海底の龍宮城のように輝いて浮かんで見えた。ゴールテープまでのストレートは、50m程しかない。ここだけは、もっと距離があってもいいのに、と思ってしまう。
18:35、長く辛く、そして最高に幸せな1日が終わった。テープを切り、ゆっくりと足を止めると、達成感が込み上げて来る。11:35:35、218位。昨年は出場できなかっただけに、タイムや順位よりも、出場し完走できたことが素直に嬉しく思えた。



タイムが自己ベストであろうがワーストであろうが、ゴールを迎える感動に大きな違いはない。

エントリー1026名、スイム スタート954名(男子849名/女子105名)、完走826名(完走率87.3%)。

私の成績

Swim(3.8km)/1:17:09(455位)
Bike(180.2km)/6:25:38(349位)
Run(42.195km)/3:52:48(126位)

Total/11:35:35(総合218位)

 

 

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